オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
すかさずにらむと、向居はさらに笑って肩をすくめてみせた。


「怖いぞ。美人が台無しだ」


不覚にも、また胸が高鳴ってしまった。


「軽々しいお世辞なんて言わないでよ。かえって嫌味に聞こえる」

「別にそんなつもりで言ったんじゃないよ。さっきから、機嫌が悪そうだったから」

「別に悪くなんかないわ」


いかにも機嫌が悪い返答をする私。
向居はそれでもしつこく会話を続けようとする。


「いい企画だったよな、逢坂の。相変わらず、すごい綿密な情報量で舌をまいたよ。よくあそこまで調べられたな」

「…実際に行ってみたから」

「ロケハンまでしたのか。すごいな…。正直、逢坂のは絶対人気商品になると思った」

「…それはどうも」

「けど、結果的に俺のが逢坂以上に売れたけどな」


は?

思わず向居をみつめた。
その整った顔に余裕の笑みをたたえて、向居は私を見下ろしていた。

この男、絶対に私を馬鹿にしている。

翻弄して楽しんでいる。
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