オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
認識したと同時に、私は静かにかつ足早に歩き、声がした方とは真逆の方へ逃げる。
「これも美味いってあったな。すげぇなこのコンビニ。侮れねぇな」
高くも低くもない、ちょっと間の抜けたような男の声。間違いなく基樹のだ。
どうしてここに…?
危険だとはわかっているものの、商品棚の間からそっと声がする方をうかがう。
いた。
私の予想は的中した。
夢じゃない幻じゃない、すぐ数メートル先に、浴衣姿の基樹が立っていた。
そしてその隣には、女の子がいた。
風呂上りらしい、しっとりとした髪。ちゃんと化粧もしている。濃いけど。
見たことがあった。
一年位前まで私と一緒に働いていた後輩だった。
逢坂さんみたいな女性に憧れるだとか、逢坂さんみたいになるのが目標だとか、おべっかや夢をしょっちゅう並べ立てる調子のいい子だった。
けど結局、なにひとつ叶えることなく、彼女は旅行業界の現実に失望しあっさり辞めていってしまった。
最後に、『辞めるのは逢坂先輩がパワハラじみて厳しすぎたからだ』と周りに言いふらして。
…嘘でしょ。
「これも美味いってあったな。すげぇなこのコンビニ。侮れねぇな」
高くも低くもない、ちょっと間の抜けたような男の声。間違いなく基樹のだ。
どうしてここに…?
危険だとはわかっているものの、商品棚の間からそっと声がする方をうかがう。
いた。
私の予想は的中した。
夢じゃない幻じゃない、すぐ数メートル先に、浴衣姿の基樹が立っていた。
そしてその隣には、女の子がいた。
風呂上りらしい、しっとりとした髪。ちゃんと化粧もしている。濃いけど。
見たことがあった。
一年位前まで私と一緒に働いていた後輩だった。
逢坂さんみたいな女性に憧れるだとか、逢坂さんみたいになるのが目標だとか、おべっかや夢をしょっちゅう並べ立てる調子のいい子だった。
けど結局、なにひとつ叶えることなく、彼女は旅行業界の現実に失望しあっさり辞めていってしまった。
最後に、『辞めるのは逢坂先輩がパワハラじみて厳しすぎたからだ』と周りに言いふらして。
…嘘でしょ。