オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
「水、私が買ってくるよ。向居はまだ寝ていたほうがいいよ」
「ん、ああ…助かる」
ぐらり、と向居の身体が揺れた。支えようと私は向居の腕をつかんだけれど、大きな身体は思っている以上に重く、脚が耐え切れずに後ろに崩れてしまう。
それを向居が咄嗟に耐えて、私の背後にあった壁に手をついた。
どうにか向居の身体に下敷きにならずにはすんだけども…私は向居と壁の間に挟まってしまう状態になった。
しまった―――。
心臓が大きく跳ねた。
目の前に、向居の顔があった。
差し込む月光が、向居の気怠げな顔に陰影をあたえ、色気をにじませている。微かに香るお酒の匂いさえ、香水のように芳しい。
「悪ぃ」
ほとんど吐息のような声で向居がつぶやいた。そして離れていく―――と思ったけれど、私をじっと見つめたきり、動かない。
とろりとしていた瞳に微かに光が宿り、痛いくらいに真剣なまなざしが、私を射抜く。
時が止まった。
そんな気がした。
「ん、ああ…助かる」
ぐらり、と向居の身体が揺れた。支えようと私は向居の腕をつかんだけれど、大きな身体は思っている以上に重く、脚が耐え切れずに後ろに崩れてしまう。
それを向居が咄嗟に耐えて、私の背後にあった壁に手をついた。
どうにか向居の身体に下敷きにならずにはすんだけども…私は向居と壁の間に挟まってしまう状態になった。
しまった―――。
心臓が大きく跳ねた。
目の前に、向居の顔があった。
差し込む月光が、向居の気怠げな顔に陰影をあたえ、色気をにじませている。微かに香るお酒の匂いさえ、香水のように芳しい。
「悪ぃ」
ほとんど吐息のような声で向居がつぶやいた。そして離れていく―――と思ったけれど、私をじっと見つめたきり、動かない。
とろりとしていた瞳に微かに光が宿り、痛いくらいに真剣なまなざしが、私を射抜く。
時が止まった。
そんな気がした。