オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
「ああ、一応大丈夫だ。都は?」

「私は平気よ…」


くすりと向居は笑う。


「ほんとに酒が強いんだな。まったく、とんでもない酒豪だ」


寝起きには毒なほどに、私の心臓はドキドキと激しく鼓動する。
私の背に回っていた手が、しっとりと私の身体のラインをなぞり、火照る頬を包み、頭を撫でる。私をやさしく慰めた昨晩のように、いとおしげに。

これじゃあまるで、恋人と過ごす朝だ…。
私はあえぐように呼吸を求め、視線を空にやった―――するとベッドサイドの電波時計の数字が目に入り、その瞬間、さすがの心地もふっとんだ。


「チェックアウト…!」


向居の腕の中から跳ね起きる。

十一時四十五分。
チェックアウトを四十五分も過ぎていた。





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