オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
「予約していた向居ですが」
店主だろうか、白いひげを蓄えた初老の男性が穏やかに微笑んで「あちらです」と視線をやった。
その席は絶好の位置だった。窓際で景観を一望できる席だった。
「すごくいい席ね。ここからなら最高の眺めが見られる」
「ああ。夏場はそこのテラスにもテーブルが置かれて飲むことができるんだけど、今はまだ早いみたいだな」
「なににする?」と向居はメニューを開く。
「けっこう本格的なのが揃っているな」
と向居が言う通り、メニューにはたくさんのカクテルメニューが載っている。
「ええと…迷っちゃうな。向居は?」
「俺はそうだな…ブルーマンデー」
ぷ、思わず噴き出した。
「なんで笑う?」
と、しれっと言う向居も、口端を上げている。
もう、急に変なジョーク出してこないでよ。
ブルーマンデーと言えば、月曜からの仕事が憂鬱だと嘆いたサラリーマンのために作られた一杯だ。
向居ってば、旅行をそんなカクテルで締めるなんて、おふざけもいいところだわ。
「ふふ、私はもっと素敵なのを飲むわよ? そうね…」
とメニューを追う。
とある一杯に目が留まり、私はさらに噴き出した。
もうこのお店ウィット利かせすぎ。
あの店主のおじさま、絶対に脱サラリーマンに違いないわ。
「クワイエットサンデー。私はこれ」
聞くなり「本当にそんなカクテルあるのか?」と向居はメニューを凝視。
「ほらここに」と私が指さすと、向居もついに噴き出し、私たちは顔を見合わせて声をあげて笑った。
おひげのマスターも私たちがこの二杯を注文すると微かに笑みを浮かべていた。人は見かけによらず。絶対お茶目な性格よね、このマスター。
店主だろうか、白いひげを蓄えた初老の男性が穏やかに微笑んで「あちらです」と視線をやった。
その席は絶好の位置だった。窓際で景観を一望できる席だった。
「すごくいい席ね。ここからなら最高の眺めが見られる」
「ああ。夏場はそこのテラスにもテーブルが置かれて飲むことができるんだけど、今はまだ早いみたいだな」
「なににする?」と向居はメニューを開く。
「けっこう本格的なのが揃っているな」
と向居が言う通り、メニューにはたくさんのカクテルメニューが載っている。
「ええと…迷っちゃうな。向居は?」
「俺はそうだな…ブルーマンデー」
ぷ、思わず噴き出した。
「なんで笑う?」
と、しれっと言う向居も、口端を上げている。
もう、急に変なジョーク出してこないでよ。
ブルーマンデーと言えば、月曜からの仕事が憂鬱だと嘆いたサラリーマンのために作られた一杯だ。
向居ってば、旅行をそんなカクテルで締めるなんて、おふざけもいいところだわ。
「ふふ、私はもっと素敵なのを飲むわよ? そうね…」
とメニューを追う。
とある一杯に目が留まり、私はさらに噴き出した。
もうこのお店ウィット利かせすぎ。
あの店主のおじさま、絶対に脱サラリーマンに違いないわ。
「クワイエットサンデー。私はこれ」
聞くなり「本当にそんなカクテルあるのか?」と向居はメニューを凝視。
「ほらここに」と私が指さすと、向居もついに噴き出し、私たちは顔を見合わせて声をあげて笑った。
おひげのマスターも私たちがこの二杯を注文すると微かに笑みを浮かべていた。人は見かけによらず。絶対お茶目な性格よね、このマスター。