オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
完璧な案も、しょっぱなで破綻。
あんなことされるなんて、あんな扱いを受けるなんて…ああ、思い出したら泣けてくる。
大ゲンカの末、予約していた新幹線に一人で飛び乗った。
長い乗車時間は、あまりの惨めさに泣くだけで過ごした…なんて、まるで昭和歌謡曲の有様だ。
泣き疲れて降り立った古都はそれでも風情豊かで、都会の冷たい情景を忘れさせた。
煩わしいことはこの旅行期間だけでも考えるのをやめて、仕事に没頭しよう。
そして、今度こそあの憎き向居を負かしてやるんだ!
と、切り替えて意気込んでいたところだったのに…!
私は向居に作り笑いを浮かべた。
「か、彼氏は仕事が入って急に来れなくなったのよ」
「急に?」
「そうよ」
「ふぅん」
なにか考えるような表情をしている向居。
同じ同期だったから、向居も基樹のことは知っていて、私と付き合っていることも多分知っているはずだ。
向居とちがい、素直さと明るさだけが取り柄でやりすごしてきた基樹は、出世コースからはとうに外されていた。
今は営業所について窓口営業でほどよく仕事している。
たいていは私より先に帰っていて、コンビニご飯を食べた後は戦国シュミレーションゲームなんかをやって余暇を満喫している。
そんな基樹に急に入る仕事なんてない。見え透いた嘘だったけど…向居はそこまで基樹のことは知らないはず…。
あんなことされるなんて、あんな扱いを受けるなんて…ああ、思い出したら泣けてくる。
大ゲンカの末、予約していた新幹線に一人で飛び乗った。
長い乗車時間は、あまりの惨めさに泣くだけで過ごした…なんて、まるで昭和歌謡曲の有様だ。
泣き疲れて降り立った古都はそれでも風情豊かで、都会の冷たい情景を忘れさせた。
煩わしいことはこの旅行期間だけでも考えるのをやめて、仕事に没頭しよう。
そして、今度こそあの憎き向居を負かしてやるんだ!
と、切り替えて意気込んでいたところだったのに…!
私は向居に作り笑いを浮かべた。
「か、彼氏は仕事が入って急に来れなくなったのよ」
「急に?」
「そうよ」
「ふぅん」
なにか考えるような表情をしている向居。
同じ同期だったから、向居も基樹のことは知っていて、私と付き合っていることも多分知っているはずだ。
向居とちがい、素直さと明るさだけが取り柄でやりすごしてきた基樹は、出世コースからはとうに外されていた。
今は営業所について窓口営業でほどよく仕事している。
たいていは私より先に帰っていて、コンビニご飯を食べた後は戦国シュミレーションゲームなんかをやって余暇を満喫している。
そんな基樹に急に入る仕事なんてない。見え透いた嘘だったけど…向居はそこまで基樹のことは知らないはず…。