オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
「それは良かったです! 実は向居先輩も体調不良でお休み取られているんですよね。もう二人してちょっと働き過ぎなんじゃないですかぁ? ちょっとは私たち後輩に手柄を譲ってくれてもいいんですよ?」

「それはだめね。今回も私、あの企画を狙っているから」

「えーそれ私もですよ。もう、向居先輩も参加するって言っているし、やる気なくしちゃう」


唇をすぼめた後輩に、私は笑顔を向けた。


「大丈夫よ。あなたはあなたの旅行を作ればいいのよ。私はあなたの作ったプラン、好きよ」


後輩は私の顔をまじまじと見つめた。


「なんか逢坂先輩、いつもと雰囲気がちがう…。きっと、よっぽど疲れていたんですね。そういえば、なんか血色もいいし、いつも以上に肌も奇麗。ロケハン旅行中に、なにかいいことがあったんですか?」

「え? いや別になにもないけれど…。いい旅行だったわよ」


と誤魔化してみるものの、内心私は慌てている。
そんなに違うかしら…。

肌も奇麗って…。やっぱり快楽って、最大の美容法とはよく言ったものだわ…。

取り留めのない会話を続け、お昼を食べに行くところだった後輩と別れると、どっと安堵した。

良かった、今朝突然とった年休だったけれど、怪しまれている様子はなかった。
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