オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
「私たちきっと付き合ってもケンカばっかりするんじゃないかしら」
「そうかな。都は仕事はバリキャリでも、オフでは案外普通の女のコだろ。猫ちゃん好きの、無邪気なコ」
指が伸びてきて私の頬を撫でた。
「ま、ケンカしたとしても、勝つのは常に俺だけどな。日常でも、ベッドの上でも…」
「な…」
ぼーと顔が赤くなる。
なにも言い返せなかった。確かに私は柊介に蹂躙されきったのだから。甘い言葉でなぶりつくされ、丹念な愛撫で身体を追い詰められ、そして熱い想いに貫かれた。
しんとなる庫内。
まるで、昨晩初めて肌を重ねあったあの瞬間のように、私の胸が昂っている。
この先どうなるんだろう。ああ気が休まらない。
でも不思議なの。
すごくワクワクもしているの、私。
柊介のことが、好きでたまらない。
そしてその気持ちと同じくらい、彼に負けたくないと思っている。
この男の傍らに立つのにふさわしい女でいたい。
柊介がそうだったように、柊介がいたから私もここまで来られたの。
だから、この先だってどこまでも行けるわ。
私達はこうやってずっと一緒に走っていくの。
私は柊介の手を握り、挑むように笑った。
「いい? 向居柊介。このエレベーターから降りたら私と貴方はもとのライバル。オッケー?」
「エレベーターから降りたら、ね。ああ了解だ」
柊介は頷き、微笑んだ。
リンと音が鳴り、目的階に到着すると、私は柊介を見やることなく「じゃあね」と降りようとした―――けれど。
「都」
出て行こうとしたところで、解きかけた私の手を柊介が強く握りなおした。
きつく抱き締められ呼吸を失った瞬間、唇に熱いそれが重なる。
愛している。愛している。
柊介は、熱とともに、ただその想いだけを私の心にそそぎこむ。
孤高だと思っていた広い背中にめい一杯腕をまわすと、私も応えるようにきつくきつく抱き締め返した。
向居柊介。
私の最高のライバル。最高の恋人。
私も、心の底から、愛している。
蕩けるように閉じた瞼の裏で、エレベーターの扉がゆっくりと閉まる音が聞こえた。
「そうかな。都は仕事はバリキャリでも、オフでは案外普通の女のコだろ。猫ちゃん好きの、無邪気なコ」
指が伸びてきて私の頬を撫でた。
「ま、ケンカしたとしても、勝つのは常に俺だけどな。日常でも、ベッドの上でも…」
「な…」
ぼーと顔が赤くなる。
なにも言い返せなかった。確かに私は柊介に蹂躙されきったのだから。甘い言葉でなぶりつくされ、丹念な愛撫で身体を追い詰められ、そして熱い想いに貫かれた。
しんとなる庫内。
まるで、昨晩初めて肌を重ねあったあの瞬間のように、私の胸が昂っている。
この先どうなるんだろう。ああ気が休まらない。
でも不思議なの。
すごくワクワクもしているの、私。
柊介のことが、好きでたまらない。
そしてその気持ちと同じくらい、彼に負けたくないと思っている。
この男の傍らに立つのにふさわしい女でいたい。
柊介がそうだったように、柊介がいたから私もここまで来られたの。
だから、この先だってどこまでも行けるわ。
私達はこうやってずっと一緒に走っていくの。
私は柊介の手を握り、挑むように笑った。
「いい? 向居柊介。このエレベーターから降りたら私と貴方はもとのライバル。オッケー?」
「エレベーターから降りたら、ね。ああ了解だ」
柊介は頷き、微笑んだ。
リンと音が鳴り、目的階に到着すると、私は柊介を見やることなく「じゃあね」と降りようとした―――けれど。
「都」
出て行こうとしたところで、解きかけた私の手を柊介が強く握りなおした。
きつく抱き締められ呼吸を失った瞬間、唇に熱いそれが重なる。
愛している。愛している。
柊介は、熱とともに、ただその想いだけを私の心にそそぎこむ。
孤高だと思っていた広い背中にめい一杯腕をまわすと、私も応えるようにきつくきつく抱き締め返した。
向居柊介。
私の最高のライバル。最高の恋人。
私も、心の底から、愛している。
蕩けるように閉じた瞼の裏で、エレベーターの扉がゆっくりと閉まる音が聞こえた。