オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
「で、どう? 俺と行く?」


って、おだてられてすんなり「OK」するとでも思ったの?
なにが「どう?」なんだ。

私の機微をしたたかに探るようなまなざしに、負けじと私も真っ直ぐに向居を見つめ返す。

第一、この男解かってるのかしら。
基樹の分を工面するってことは、私と一緒の部屋で宿泊するってことなのよ?

ああ考えただけで身震いがする。
この男と同じ空間にいるのでさえ、時折逃げ出したくなる時があるのに…行動を共にして三食ご飯を食べて寝る部屋も一緒だなんて…

耐えられるわけがない。

向居の方は私のことなんてただの同僚としか思っていないのだろうけれど、それにしたってデリカシーを疑ってしまう。
イケメンだって、そういうところは大切だと思うんですけれどー?


「要は次の対決まで共同戦線をひいておきたいってことよね」

「対決ってつもりもないんだけれど…まぁ、そういうことだな」

「利害の一致はたしかにあるわよね。けどだからってすんなり『ハイいいです』なんて言うと思う?」

「だよなぁ」
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