オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
なんて口に出して自分を鼓舞してみる。

今夜からは、悠々自適なお独り様生活の予行演習だ。
これから向かうのは、下調べ済みのこの近辺でも穴場と称されるダイニングバー。
歴史あるこの地域の風情を取り入れた内装と、地元の食材を使った料理が最高って評判なのよね。

大通りから少しはずれたところにあって隠れ家的と言われているだけあって、さっきから見つけるのに苦労していた。
花街通りといっても、交差している小道をちょっとでも行けば迷路のような路地が広がっている。

でもこういう所って、住宅の中に紛れ込むように雰囲気のいいカフェとか雑貨屋さんがあったりして楽しいのよね。
しかもそれがネットでも紹介されていないレアだったりすると、なおのこと興奮する。


「やっぱこういう楽しさって、ひとりでなきゃ満喫できないよね、うんうん」


なんて独り言ちながら、引き続きダイニングバー捜索。
ええと…地図アプリではここらへんなんだけどなぁ…。
と、桜が並ぶ通りを見渡す。


「…え…?」
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