オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
「確認だけど」
ひょい、と離され、お預けをくった。
「一緒に回るってことは、この旅行の間だけは俺たち『恋人同士』ってことでいいんだよな?」
「はぁ…!?」
繕った私の冷ややかな表情は、一瞬で崩壊する。
「なんで向居と『恋人同士』にならなきゃならないのよ!?」
「『恋人と行く旅行』だぞ? 恋愛気分でロケハンしないと参考にならないじゃないか」
「どう妄想ふくらませたって、あんたなんかと一緒じゃ恋愛気分なんて湧いてこないわよ!」
「へぇ」
向居は愉快そうに片方の口端を上げた。
「ついに本音が出たな。やっぱり逢坂、俺のこと嫌ってたんだな」
「……」
ついうっかり…。
いい大人だし同じ部で働く同僚同士、本音を知られたくはなかった。
けど、嫌われるのは自業自得じゃない。
嫌われるような態度をとってくるからいけないんじゃない。そっちだって、私のことを嫌っているんでしょ?
という思いが顔に出てしまっていたのか、向居は苦笑いを浮かべた。
「やっぱり、俺のことそうとう誤解しているみたいだな」
「…え?」
気のせいかどこか悲しげにも見えたその苦笑いは、やがて真剣な表情に変わる。
ひょい、と離され、お預けをくった。
「一緒に回るってことは、この旅行の間だけは俺たち『恋人同士』ってことでいいんだよな?」
「はぁ…!?」
繕った私の冷ややかな表情は、一瞬で崩壊する。
「なんで向居と『恋人同士』にならなきゃならないのよ!?」
「『恋人と行く旅行』だぞ? 恋愛気分でロケハンしないと参考にならないじゃないか」
「どう妄想ふくらませたって、あんたなんかと一緒じゃ恋愛気分なんて湧いてこないわよ!」
「へぇ」
向居は愉快そうに片方の口端を上げた。
「ついに本音が出たな。やっぱり逢坂、俺のこと嫌ってたんだな」
「……」
ついうっかり…。
いい大人だし同じ部で働く同僚同士、本音を知られたくはなかった。
けど、嫌われるのは自業自得じゃない。
嫌われるような態度をとってくるからいけないんじゃない。そっちだって、私のことを嫌っているんでしょ?
という思いが顔に出てしまっていたのか、向居は苦笑いを浮かべた。
「やっぱり、俺のことそうとう誤解しているみたいだな」
「…え?」
気のせいかどこか悲しげにも見えたその苦笑いは、やがて真剣な表情に変わる。