オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
やっぱり私のチョイスは間違ってなかったわ…!
さすが私!
さすが軍師!


「やっぱり評判にたがわずだな」


仲居さんが出ていくのを見届けると、不意に低い声が聞こえて、私ははっと我に返った。

部屋に感動して、すっかり向居の存在を忘れていた…。

向居は窓を眺めながらそうつぶやくと、窓際にあった籐のチェアにゆったりと腰掛けた。

肘おきに頬杖をついただけ。
何気ない姿なのにどこか凛とした品を感じさせる…まるでこのお屋敷の若旦那さまみたいな―――って、なに考えてるのよ、私。

ちら。

すると向居が視線だけ寄こしてきた。
すんでで顔をそらす私。
…わざとらしかったかな…見惚れていたの、バレた?


「いまいちだな」

「は?」


再び開いた向居の口から出た言葉に、首をかしげる。
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