オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
いまいち?
いい眺めだな、って今言ったじゃない。まさかこの部屋にお気に召さないとか言いたいわけ?
返す言葉につまっていると、ひょいひょい、と向居が手招いてた。
人を猫みたいに呼ぶな、っての。
私はしぶしぶ向居のそばへ行く―――とたん、息が止まった。
向居が私の手を握り、強引に引き寄せたから。
「…な…!」
「味気ないと思わないか? 都」
向居の顔がすぐ近くにあった。
間接照明で陰影が浮かんだその顔は、鳥肌が立つくらい色気があった。
その色気のまま、向居は不満げに眉根をよせる。
「こんな雰囲気のいい部屋に通されてなんの反応もなしか?」
「…は? 反応?」
「だから、もっと盛り上がるだろう、恋人同士ならふつう。『いい部屋だな』ってはしゃぎあって」
「……!」
「だって、一晩一緒に過ごす部屋なんだから」
とびきり低い声でとどめの言葉を言われ、心臓が跳ね上がった。
しびれたように緊張した身体が、ぐいと引っ張られ自由を失う。
頬に固い感触を感じた。
向居の胸板だった。
されるがまま、向居に抱き寄せられていた。
いい眺めだな、って今言ったじゃない。まさかこの部屋にお気に召さないとか言いたいわけ?
返す言葉につまっていると、ひょいひょい、と向居が手招いてた。
人を猫みたいに呼ぶな、っての。
私はしぶしぶ向居のそばへ行く―――とたん、息が止まった。
向居が私の手を握り、強引に引き寄せたから。
「…な…!」
「味気ないと思わないか? 都」
向居の顔がすぐ近くにあった。
間接照明で陰影が浮かんだその顔は、鳥肌が立つくらい色気があった。
その色気のまま、向居は不満げに眉根をよせる。
「こんな雰囲気のいい部屋に通されてなんの反応もなしか?」
「…は? 反応?」
「だから、もっと盛り上がるだろう、恋人同士ならふつう。『いい部屋だな』ってはしゃぎあって」
「……!」
「だって、一晩一緒に過ごす部屋なんだから」
とびきり低い声でとどめの言葉を言われ、心臓が跳ね上がった。
しびれたように緊張した身体が、ぐいと引っ張られ自由を失う。
頬に固い感触を感じた。
向居の胸板だった。
されるがまま、向居に抱き寄せられていた。