オプションは偽装交際！～大キライ同期とラブ・トラベル！？～

「でもプランには生かしてしまうんでしょ？　　それが結局は需要にこたえることになるからすごいのよ。今までだってそうやってきて売上につながったんでしょ」

「たまたまウケただけだろ。売上を言うなら、この前のヤング世代向けの企画は逢坂がぶっちぎりの一位だったじゃないか。あれ、実はけっこう悔しかったんだからな」

「ええ？　うそ！？」


あまりの驚きにのけぞってしまう私。それがわざとらしく見えたのだろうか、向居は頬杖をついたまま、むすりと続けた。


「こんな嘘つくかよ。俺にしてはすごく念入りに下調べしたのに、がっくしきたよ。やっぱり若者向けとなるとリサーチ力がものを言うなと痛感した。自分のプランが、よく調べたって自己満足しただけのお粗末なものって思えて、焦ったと言うか」

「焦る？　向居が？？」


向居の口から夢にも思っていなかったワードが出てきて、私はつい聞き返した。
そんな私の反応に向居本人も驚きながら返す。