陽だまり。
教室には中学の時とは違い
見慣れた顔はほぼなく初対面ばかり。
少しの緊張と変なわくわく感で
入学式特有の気分を感じながら教室に入った。
「ほら,見ろよあそこ!
可愛くね?俺左の子がめっちゃタイプ!
彼氏いんのかなー!」
陽輝の指差す方を見ると
髪は短く背は他の子と比べると
少し高めのスポーツ系女子…
見るからに勝気で活発なんだろうと思う。
「お前ほんとあぁ言うタイプ好きだよな〜」
クラスも同じなら席も近く
陽輝は俺の左斜め前の席に座った。
席に座り話していると
そのスポーツ系女子が
廊下に向かい声をかけた。
「ゆず〜!おはよ!
なに〜?今日いつもと少し違う気がする!」
すると廊下からもう一人の声がした。
「そうかな?なにも変わらないよ?
あ,今日は髪結んでるからかな?」
少し照れたようなその声は
不思議とおちついた。