陽だまり。
なんだかんだと話していたら式の時間に。
「番号順に二列に並べ〜。」
担任の号令でみんなぞろぞろと並び始め
体育館へ移動し並べられた椅子に座ると
さっき前の席に座った子が隣にー。
校長の長話でうとうとし始めた頃
気がつくと式も中盤にさしかかり
新入生の挨拶になった。
「それでは,新入生代表
大野 ゆずさん。前へどうぞ」
司会に促され席を立ったのは
さっきから気になっていたあの子だった。
「おはようございます。
新入生代表,大野 ゆずです。
今日は良い天気に恵まれ……」
マイクを通し体育館に響くその声も
聞いていて心地よかった。
ふと顔を上げると一瞬目があったー。
瞳が大きくてまつげが長く
目鼻立ちもはっきりして
綺麗と言うよりは可愛かった。
体育館の窓からは
春の風が吹きぬけ太陽の光が
彼女をいい具合に照らした。
陽の光を浴びステージに立ち
スピーチをする凛とした姿は
とても輝いて見えたー。
俺の人生初の一目惚れ。