それでもいいって、いったじゃん。
ベッドに腰掛けたあーちゃんと、
その差1m。


私はまた、彼の前に立った。
公園で、月の光に照らされた時と同じように。


彼はまた不敵な笑みを浮かべて、
それから私にコップを差し出した。


「大丈夫?口移しとか、できんの?」


バカにしたような口ぶりにまた恥ずかしくなって、無視したままお茶に口をつける。

無言のまま、彼の頬に手を当てた。


触れた瞬間に、また安心した。



ああ、彼は今生きている。
わたしの目の前で、確かに存在している。
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