それでもいいって、いったじゃん。
胸が締め付けられるように痛んで、
ぎゅっと目をつぶった。

「もっと力抜けよ」

耳元で囁かれたその声に、
また呼吸ができなくなる。


「ほら、力抜けって。」


「んん…………。」


「そう。よくできました。」


こんなにドキドキするキスをしたことがあったっけ。気持ちいいって、感じたことがあったっけ。


何もかもが、あなたに染まっていく。

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