それでもいいって、いったじゃん。
「キスって、こうやってするんだよ葉月ちゃん。」


バカにするように得意げに。
見下すように。

彼は、嬉しそうに口を開く。

そっか、側にいてほしいだなんて微塵も思っていないんだ。

1人が、嫌なくせに。


孤独は嫌じゃない、1人でも生きていけると。強がっているんだ。


この人は、弱い人なんだ。
悲しい、人なんだ。
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