___BlueSky -罪と愛と友情と-___
暑さとの戦いの始まり
___ミーンミンミンミン
あの春の日から段々と暑さが増して来た頃ごろ。
蝉も鳴き始めて
夏の暑さが本格化してきていた。
海「あーつーい~」
そんな頃ごろ、
学校の私のクラスに、海と陸が遊びに来ていた。
昼休みのガランとした教室で、人は疎ら。
みんな、涼しさ求めて中庭の大木のとことか図書室とかへ行ってるんだと思う。
そんな中で動く気力もない私と海は、開け放った窓から顔をだしてグダグタモード。
隣に座る太陽も暑そうにダラけてて、
陸は...
持参の扇子で自分や私たちに風を送ってくれている。
さすが、旅館の息子。
そこはうちわじゃななく扇子ってとこが。
太陽「なー冷房つけろよ矢部ー」
そんな暑さと戦う私の隣で
声を気だるそうに発した太陽。
いつにも増して気だるそうなのは、やっぱり暑さのせいだと思う。
矢部「うるせぇ!先生だろばか!」
そんなダラダラな太陽に、次の授業の準備の為に
黒板に何か書いていた矢部ちゃんが声を上げた。
うるさいなぁ。
でも多分、矢部ちゃんも暑くてイライラしてるのかな?
太陽「矢部って絶てぇ元ヤン」
そんな矢部ちゃんが
太陽の愚痴をブツブツ言いながら教室を出ていったあと、太陽がそんなこと言い出した。
...何を今さら
陸「俺矢部の高校時代の写真持ってるよ」
そこで陸が
スマホを弄って写真のフォルダを開いた。
そこには、
今と変わらずの黒髪に、今はしていないピアスを着けて
友達とピースしてる矢部ちゃんがそこにいた。
海「普通にイケメン」
空「今と変わんなくね」
矢部ちゃんはまだ若くて、女子生徒にも男子生徒にも人気。
今はチャラさが無くなっただけ、かな。
まぁだから不良みたいな太陽へと対応もあんななんだね。
納得。
太陽「何でこんなんもってんの」
矢部ちゃんの写真を見て、
何時もみたいに無気力って言うか、ダラけてるって言うか
そんな太陽が陸に質問。
確かに...
陸「部活内で話題になってさ?」
どうやら陸曰く、
部活内で話題になって、気になった部活仲間が本人に聞いたんだとか。
そして家まで行って卒アルを写メって来て、それがサッカー部内で回ったんだそう。
そして矢部ちゃんに
『サッカー部内で回すのは止めろ』と止められたらしく、部長の陸はみんなに写真を消させたんだとか。
でも...?
海「なんで陸まだもってんの」
それ、ほんとに。
そしたら陸、
『だって面白いじゃん』
なんて、笑顔でそう言う。
部員には消させといて、、
陸さんズルいなー
空「てかあちーよ」
海「それな」
一通り話し終えて少しの沈黙。
そこでまた思い出すこの暑さ。
太陽「あー...」
力尽きるように声を出す太陽に
また静かに扇子を扇ぎだす陸。
今日もまた
暑い一日が過ぎていく。