___BlueSky -罪と愛と友情と-___
動き出す想い
空side
...疲れた
走って走って、やっと見えた " あの場所 "
その手前で乱れた息を整える。
家の前の坂道を上って、暗くなった山の中の道を進むと見えてくる場所。
私たちが暇があれば来る場所
この前もここで進路の話をしたっけ、
空「...狼」
そしてそこで、遠くの町を見下ろす
狼「...おせぇよ」
狼。
私たちの大事な、、幼馴染み。
鷲間 狼(わしま ろう)
中三のある日、突然姿を消した。
島中探しても見つからなくて、
でも何処かで生きてるって信じてて
でも戻ってくるのは思ってなくて、
空「今までどこ行ってたの」
狼「...東京」
空「はぁ?」
狼は、前と変わらない。
クールで、静かで。
でも誰よりも優しくて、それをうまく表に出せない。
と言うか出さない。
でもそんな狼だから、
そんな狼を理解出来きてるから、太陽も陸も海も
狼のこと大好きだったのに
狼「ほら」
居なくなるから...。
悲しかったのに、
そんなの知らない狼は、訳がわからない私を放って
小さな箱を私に差し出した。
狼は黒い服を好むから、木の机に置かれた小さな白い箱は
狼と対色で目立っている。
...なんだろ、
空「開けていいの?」
狼「やなら捨てて」
返事にはなってない狼の返事。
いつもそう。
狼はぶっきらぼうで冷たい。
でもそんな狼がくれるって言うから、その小さな箱を開けた。
そこには、
空「可愛い...」
綺麗なブルーのスノードームがあった。
夜空のような、海のような、そんな感じの奴で
私の好みドストライクだった。
でも、どうして...?
そう思って狼を見ると、何を言ってほしいか分かってたように
狼「誕生日だろ」
そう答えた。
誕生日...覚えてたんだ。
ほんと、優しいんだから。狼は
空「海のは?」
狼「これ」
空「...何で違うの」
そしてふと気になった。
海も誕生日だけど?って。
だから聞いたら案の定、用意してたみたいなんだけど
こんど出されたのは黒い箱で、
その中身は、、
可愛いピアス
狼「あ?」
空「これ可愛い」
狼「..うるせぇな」
なんで違うのか、はぐらかせれて分からない。
まぁ一緒なら一緒で嫌だけど
こうまで違うとなんか、、
だってスノードームとピアスって、、
ピアスのが金かかってそうじゃん!
狼「言っとくけど、お前の方が高ぇからな」
空「..嘘、」
狼「それにそれお前の好みじゃねぇだろ」
なんて、そんなこと思ってたけど
狼の言葉で少し落ち着いた。
スノードーム、高いんだ、、
まぁ、海のピアスも可愛いけど
ちょっとだけ違う感じはする。
可愛いけどね。ほんとに。
空「..ありがと」