過ぎ行く時間の中で
二人は大学に向かった。
大学は今は夏休みで本来はなかったが、特別なゼミなどは夏休みの間でもやっていた。
本来は参加自体は自由なのだが、数々の教授達に、
「今までサボりまくったぶんをここで取り換えしておいたほうがいい。」
と言われていたので、なかば強制的に来させられていたのだった。
それでも行ったり、行かなかったりだったんだから、当時の私の性根はだいぶ腐ってたのかもしれない。
『かもしれないじゃなくて、腐ってた、でしょ?』
頭の中の結女のツッコミに否定ができない。それほど昔の私は、ダメな男だった。
しかし、少しづつその私に光を当ててくれたのは、他ならぬ結女なのかな~と、この時から感じていた。
幸い、結女が早く私を起こしたので、ゼミが始まる前に教室に着いた。この教室は、いわゆる階段教室で、席が決まってるわけではない。
不真面目な連中は、教授に当てられたりするのは嫌だから、決まって早く来た連中から、階段教室の後ろ側から席が埋まっていくのである。
幸い上のほうがまだ座れそうだったので、私たち二人は上のほうの席に座った。
「うわ~!すごい見晴らしがいいね~!」
「ん?あぁ…。もう見慣れたから感じなかったけど、そうだね。」
「私、この階段教室での授業にあこがれてたんだ~!」
「じゃ、代わりに出てよ。」
「女が男の変わり出来るわけないでしょ!でも、代返とかして抜け出したりとかいいよね~。」
「…悪いやっちゃ。」
「へへ、私、結構ワルかも。」
代返や授業を抜け出すのを「結構ワル」という事自体、結女がまじめな女性であることをあらわしていて、かわいいと思った。
きっと、私の今までの授業態度を知ると…。どう思うだろうとも思ったりした。
大学は今は夏休みで本来はなかったが、特別なゼミなどは夏休みの間でもやっていた。
本来は参加自体は自由なのだが、数々の教授達に、
「今までサボりまくったぶんをここで取り換えしておいたほうがいい。」
と言われていたので、なかば強制的に来させられていたのだった。
それでも行ったり、行かなかったりだったんだから、当時の私の性根はだいぶ腐ってたのかもしれない。
『かもしれないじゃなくて、腐ってた、でしょ?』
頭の中の結女のツッコミに否定ができない。それほど昔の私は、ダメな男だった。
しかし、少しづつその私に光を当ててくれたのは、他ならぬ結女なのかな~と、この時から感じていた。
幸い、結女が早く私を起こしたので、ゼミが始まる前に教室に着いた。この教室は、いわゆる階段教室で、席が決まってるわけではない。
不真面目な連中は、教授に当てられたりするのは嫌だから、決まって早く来た連中から、階段教室の後ろ側から席が埋まっていくのである。
幸い上のほうがまだ座れそうだったので、私たち二人は上のほうの席に座った。
「うわ~!すごい見晴らしがいいね~!」
「ん?あぁ…。もう見慣れたから感じなかったけど、そうだね。」
「私、この階段教室での授業にあこがれてたんだ~!」
「じゃ、代わりに出てよ。」
「女が男の変わり出来るわけないでしょ!でも、代返とかして抜け出したりとかいいよね~。」
「…悪いやっちゃ。」
「へへ、私、結構ワルかも。」
代返や授業を抜け出すのを「結構ワル」という事自体、結女がまじめな女性であることをあらわしていて、かわいいと思った。
きっと、私の今までの授業態度を知ると…。どう思うだろうとも思ったりした。