過ぎ行く時間の中で
「この授業はいったいどんな授業をやるの?」
「え?今日は国際法についてやるはずだけど…」
「だけど?」
そりゃぁ、階段教室の経験のない結女は知りべくもない。
「だけど」の続きなんてわかるはずもないだろう。
階段教室の授業といえば、上のほうに座ってる人間なんて、たいていは漫画を読んだり、ひどいのになると、ミニゲームでオセロや将棋をしたりしだすものもいるのである。
私もその口で、国際法についてやる、ということは知っていたが、持ってきたものといえば教科書だけでなく、週刊誌を何誌か持ってきていた。
それは、階段教室では当たり前のことだった。
「この辺に座ってる奴らは、まともに授業なんて受けないよ。」
「じゃ、何するの?」
「漫画読んだり、ゲームしたり…」
マジメな結女にそんなことを言ったら怒られるだろうなと思いながら言った。素直な自分を知ってもらうほうが大事…
と、かっこつけてみたが、単に自分がサボり者ということを知っててもらったほうが自分がらくだと思って、あえてばらしたのだろう。
そんなことを結女が受け入れるわけがないと思っていた。
しかし、彼女の私に対する答えは少し予想外だった。
「うわ~、楽しそう~!そうやって、先生の目を盗みながら悪い事してみたかったんだ!」
私は少し驚いた。しかし、そういう結女がかわいかったし、何より私にとっては、渡りに船だった。
「ははは。じゃ、この雑誌読んでなよ!2冊持ってきてるから。」
「うん。ありがと。私、こんなキャンパスライフが夢だったんだ~…」
目を輝かせて結女はそう言った。
「え?今日は国際法についてやるはずだけど…」
「だけど?」
そりゃぁ、階段教室の経験のない結女は知りべくもない。
「だけど」の続きなんてわかるはずもないだろう。
階段教室の授業といえば、上のほうに座ってる人間なんて、たいていは漫画を読んだり、ひどいのになると、ミニゲームでオセロや将棋をしたりしだすものもいるのである。
私もその口で、国際法についてやる、ということは知っていたが、持ってきたものといえば教科書だけでなく、週刊誌を何誌か持ってきていた。
それは、階段教室では当たり前のことだった。
「この辺に座ってる奴らは、まともに授業なんて受けないよ。」
「じゃ、何するの?」
「漫画読んだり、ゲームしたり…」
マジメな結女にそんなことを言ったら怒られるだろうなと思いながら言った。素直な自分を知ってもらうほうが大事…
と、かっこつけてみたが、単に自分がサボり者ということを知っててもらったほうが自分がらくだと思って、あえてばらしたのだろう。
そんなことを結女が受け入れるわけがないと思っていた。
しかし、彼女の私に対する答えは少し予想外だった。
「うわ~、楽しそう~!そうやって、先生の目を盗みながら悪い事してみたかったんだ!」
私は少し驚いた。しかし、そういう結女がかわいかったし、何より私にとっては、渡りに船だった。
「ははは。じゃ、この雑誌読んでなよ!2冊持ってきてるから。」
「うん。ありがと。私、こんなキャンパスライフが夢だったんだ~…」
目を輝かせて結女はそう言った。