過ぎ行く時間の中で
「どうしたの?」
私は結女に聞いた。
結女は少しの間、押し黙っていたが、やがて意を決したように、天を仰ぎながら、話し始めた。
「今日楽しかったっちゃよ…。一番したかったことが、かなったと。」
「結女の夢がかなったんだね!」
こんなくだらない冗談に、彼女は微笑みながら言った。
「うん。もう…、充分っちゃよ…」
「へ?」
私は情けないことに、何を言ってるのか理解できなかった。
「出会ってから、今日までホント楽しかったと。でも、終わりにせんと…」
こんな気持ちは初めてだった。
人の気持ちなんてあてにならないものはない。
だから、今まで付き合ってきた子と別れる時も、寂しくなかったと言えばウソになるが、また元の独り者にもどるだけだと今までは思ってきた。
でも、結女からこの言葉を聞いて、胸が張り裂けそうになった。
結女を離しちゃいけないと思った。
「なんで!」
そんな気持ちから、思わず立ち上がって、声を荒げてしまった。
結女は少しビクッとした。しまったと思い、
「ごめん」
と言ったあと、再び聞いた。
「でも、どうして?」
結女は溜め息を大きく一つつき、私の前に立って、再び微笑みながら話しだした。
私は結女に聞いた。
結女は少しの間、押し黙っていたが、やがて意を決したように、天を仰ぎながら、話し始めた。
「今日楽しかったっちゃよ…。一番したかったことが、かなったと。」
「結女の夢がかなったんだね!」
こんなくだらない冗談に、彼女は微笑みながら言った。
「うん。もう…、充分っちゃよ…」
「へ?」
私は情けないことに、何を言ってるのか理解できなかった。
「出会ってから、今日までホント楽しかったと。でも、終わりにせんと…」
こんな気持ちは初めてだった。
人の気持ちなんてあてにならないものはない。
だから、今まで付き合ってきた子と別れる時も、寂しくなかったと言えばウソになるが、また元の独り者にもどるだけだと今までは思ってきた。
でも、結女からこの言葉を聞いて、胸が張り裂けそうになった。
結女を離しちゃいけないと思った。
「なんで!」
そんな気持ちから、思わず立ち上がって、声を荒げてしまった。
結女は少しビクッとした。しまったと思い、
「ごめん」
と言ったあと、再び聞いた。
「でも、どうして?」
結女は溜め息を大きく一つつき、私の前に立って、再び微笑みながら話しだした。