過ぎ行く時間の中で
「あ~悪い悪い。今日は帰ってすることあるんだ。」

私は用件も聞かずに答えた。まぁ、用件はわかっているが。

「なんだよ。最近つれないなあ。帰ってなにすんのよ?」

ガスが言う。田中さんも、

「まさか勉強とか言わないでよ~!」

と言った。

「勉強じゃないよ。学習。」

と言うと、たちまち、

「一緒じゃね~かよ!」

とショージがツッコむ。

「違うよ。『勉強』って『勉め』を『強いる』って書くだろう?だから、仕方ないけど、いやいやがんばるって意味なんだよ。」

私が理屈っぽくそう言うと、ガスが、

「まぁ、俺達はその『勉強』すらしないけどね。」

と言うと、田中さんも、

「そりゃそうだ!」

と笑う。

そして、ショージが言った。

「まぁそう言わないでたまには付き合ってくれよ!最近できた彼女の影響で心境の変化もわかるけど、たまにはよっ!な?」

なるほど。うまい交渉術だ。
彼女ばかりと付き合ってると男友達無くすぞと言わんばかりである。

まぁ、確かに悪友ではあるが、大事な友人には違いない。

私は仕方なく、麻雀の誘いに応じた。

『ホントに仕方なくなの~?』

という頭の中の結女の声に私は応じなかった。
確かに頭の中の結女の図星だったからである。
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