過ぎ行く時間の中で
「例えば、普段何してるとか気にならない?」
田中さんまでツッこむ。確かにそういうことは気にならない性質である。

ただ、そう言われてみると、結女の事をあまりに知らなさすぎではなかったろうか?

「あ~、そりゃあれだ。」
ガスがショージに目をむけ言った。クスッとショージも笑った。

「な、何だよ。」
私が言った。すると、ショージが、

「もちろん、お前の事からかってんだよ!本気じゃないって!」
と言う。

「ロン。お前のその捨てた牌、ロンだよ。18000点。」
私は若干の怒りを含めていった。

「ギャァ~!」
ショージがそう言ってぶっ倒れた。

「はは、まぁそう本気になりなさんなって。」
そう田中さんが言いながら続ける。

「でも、もう少し、彼女の事を知っておいたほうがいいんじゃない?」


図星だった。彼女の事を知ってるようで詳しくは知らないし、知ってると思ってる事も、信じてるだけかもしれない。

そして自分が一番気になってる事、それは…
かっこわるいし、情けない事だと思うが、こいつらの言う通り、そういう関係、性的関係がなかったのだ。

こういうことはかっこ悪いが、異性と付き合うという事は避けられない事であり、大事な事だとも思っていた。

ナゼなんだと思うと、とたんに頭でぐるぐるいやな気持ちがまわりだした。なんとも言えぬ気持ちになる。
ひょっとして自分はからかわれたりしてるんだろうか。

そんな風に思ったり、いや、そんな事はないと自分に言い聞かせたりするのであった。

人と付き合うとこんなのが面倒だから、今までは避けてきたふしがある。
でも今は、そんな事よりも、はっきりしておきたい、そんな気持ちが先に来たのであった。

いてもたってもいられなくなった。
私は家に帰って、すぐに色々調べようと心に誓ったのだった。

こいつらを麻雀で散々にぶちのめしてからの事であったが。


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