俺様副社長の溺愛秘書
「駄目か?会社には迷惑を掛けない。」


「「…………。」」



沈黙の二人に、同棲はよく思われていないんだと思った。


尚輝も私と同じで会社の立場的に駄目なのかと思ったに違いない。



「親父、会社には迷惑を………。」


「結婚の話じゃないのか?」



社長の言葉に沈黙が流れた。



「松井さんと結婚する話じゃないのか?」


「まだ結婚の話じゃない。一緒に暮らしたいって話だ。」


「同棲って事か?」


「ああ。」



社長の神妙な面持ちに尚輝が黙り込む。私も社長を見つめる。



「なぜ結婚しない?」


「………。」



社長の言葉に尚輝は黙ったままだ。



「そうよ。尚輝、結婚はしないの?」



奥様も尚輝を見つめる。二人は結婚の話だと勘違いしていたようだ。



「尚輝、同棲するなら結婚すればいい。結婚しない理由は何だ?」



社長の問い詰めに私は口を開こうとしたが―――。
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