俺様副社長の溺愛秘書
「結婚はする。でもまだ早い。」


「早い?松井さんの歳か?」


「違う。」


「なら、結婚するほどは松井さんを愛してないって話か?」



社長の言葉に尚輝を見た。



それほど愛されてない?



尚輝は『一緒に暮らしたい』って言うが、結婚したいとは言わない。


でも夏休みの旅行では『結婚しよう』と言ってくれていた。



気が変わった?



隣に座る尚輝を見つめた。尚輝が視線に気づいたのか、私へと視線を向けてきた。



「朱里、違う。俺は愛してる。だけど………朱里に覚悟はない。違うか?」


「覚悟?」


「仕事を辞める覚悟だ。」



尚輝を見つめたまま、話を聞いていく。



「結婚したら、秘書は辞めてもらう。仕事を辞めて欲しい。」


「………。」


「そんな覚悟はないだろ?」



尚輝から視線を外せないでいた。



「だから結婚は早いって話だ。俺は朱里をちゃんと愛してる。」



尚輝と見つめ合う。目を逸らせないでいた。
< 104 / 167 >

この作品をシェア

pagetop