俺様副社長の溺愛秘書
「親に何て話そう………。」



副社長である尚輝と交際しているのも、外泊で尚輝の部屋に泊まっているのも知っている。


だけど同棲となれば………親は許してくれるだろうか?


結婚もしないで、一緒に暮らすことに反対はしないだろうか?


廊下に出た私は大きな溜め息を吐いた。



「何て話そう。」



この言葉しか、私の口からは出てこない。


だって同棲だよ?


親は納得するだろうか?



私は大きく深呼吸をして気持ちを切り替えた。いつまでも悩んでいても仕方がない。


頭を仕事へと切り替える。午後からの会議までに片付けたい仕事もある。


秘書課へと急ぎ足で戻り、仕事を片付ける事に没頭した。


目の前の内線の音に集中力が切れた。



「はい、松井。」


「松井、再来週の月曜から3日間、悠木の大阪支社への出張に同行を頼む。」


「わかりました。詳細をお願いします。新幹線、ホテルの手配を致しますので。」


「メールで送る。読んでくれ。」


「はい。」



再来週は出張………。机の資料を見つめ、溜め息が漏れた。
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