俺様副社長の溺愛秘書
「再来週、出張だって?」


「陽輝、情報が早いわね。」


「俺も関係してるから。」


「もしかして陽輝も?」


「いや。どうせ兄貴が私情でも入れただろ?きっと二人だ。」



海外事業部との打ち合わせが終わり、廊下を歩いていると陽輝に声を掛けられた。



「私情じゃない。俺が秘書を連れていくのは当たり前だ。それに陽輝には仕事もある。」


「後付けだろ?本当は二人で行きたいだけだろ。」


「仕事だ。」


「それ、秘書が朱里さんじゃなくても二人で行った?」



前を歩く尚輝と陽輝が言い合いをしている。陽輝が尚輝に突っ掛かっている。


尚輝は陽輝を無視して歩いていく。



「俺も役員に昇進したら、朱里さんを秘書にしたい。そしたら二人で出掛けられる。」


「無理だ。」


「何で?兄貴専属って訳じゃないだろ。」


「その内に分かる。陽輝、来週までに指摘を直して出せ。」



尚輝は副社長室へと入っていく。私もそのまま秘書課へと戻る。
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