俺様副社長の溺愛秘書
コンコン。



「副社長、失礼します。」



挨拶をして副社長室へと入っていく。ソファーで寛ぐ、副社長へコーヒーを置く。



「朱里、帰れるか?送っていく。」


「副社長、仕事は終わられましたか?」


「ああ。」



副社長の返事にデスクへと視線を向ければ、資料が残っているようだ。


もう一度副社長へ確認する。



「仕事は終わられましたか?」


「ああ。」


「資料が残っているようですが。」



ソファーで寛ぐ副社長と目が合う。じっと見つめられ、視線を逸らせない。



「今日は終わりだ。送っていく。」


「ですが、来週までに目を通して頂かないと困ります。」


「わかってる。ほら、帰り支度をして来い。」


「…………。」



強引な副社長が何を考えているのか分からない。頭を下げて副社長室を後にした。


神妙な面持ちの副社長に首を傾げるしかなかった。
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