俺様副社長の溺愛秘書
「何て言えばいいのか迷ってる。」


「誰に?俺にか?」


「違う。」



大きく深呼吸をして言葉を続けた。今、私が思っている事を話すべきなんだと思ったから。



「親に。尚輝と付き合い始めて日も浅いし、『もう同棲するの?』って言われる気がして。」


「………。」


「尚輝と違って、私は今までも彼氏もいたし、尚輝も今までの彼氏と同じような彼氏なんだって思ってるかも。」


「今までと同じ?」


「別れるんじゃないかって話。」



店員の姿が見えた私は話を止めた。料理をテーブルに並べて立ち去る店員を目で追った。



「っで、親に話すのを戸惑ってる?」


「うん。」


「なら問題ない。俺がちゃんと挨拶するし、結婚前提の同棲だと説明もする。」


「許してくれるかな?」


「朱里、俺は取り引きのプロだ。任せておけ。」


「取り引きのプロ………。」


「ああ。」



ニヤリとする尚輝を見つめた。
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