俺様副社長の溺愛秘書
「朱里さん、俺、こっちのハンバーグにする。味が違うから分けよ?」


「えっ?あっ、うん、いいよ。」


「俺は一番高いハンバーグを頼んどけ。朱里、ちょっと来い。」



低い声を吐き出す尚輝が私の手を掴み、席を立たせる。そのまま私を引き摺るように歩き出した。


背後からクスクスと笑う声が微かに聞こえる。



「兄貴、冷めないうちに戻ってこいよ。」


「直ぐに戻る。」



尚輝に引っ張られ、お店の外に出ていく尚輝の雰囲気は怖い。


確実に怒っている。



「尚輝先輩、どこに?」


「先輩?」


「……………尚輝?」


「2度と先輩って呼ぶな。」



怒っている尚輝に引っ張られ、お店の外に作られたベンチに座るように促された。


隣に座る尚輝が煙草を咥えた。その姿をじっと見つめる。



「尚輝、何?」



ゆっくりと尚輝の視線が向けられ、目と目が合い、お互いを探るように見つめあう。
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