俺様副社長の溺愛秘書
お父さんは黙り込むが、尚輝の話は続けられていく。



「私は高校の頃から朱里さんが好きでした。朱里さんと過ごしたい為に仕事に没頭してきました。」



「高校の頃から朱里を？」


「はい。ずっと一緒にいる為の努力をしてきました。」


「………。」



静まり返るリビングに、尚輝の緊張が私にも伝わりだした。


大きく深呼吸をした尚輝が話を続けた。



「今、朱里さんから秘書を取り上げたくないのです。生き生きと仕事をしてくれているのが伝わるからです。」


「………。」


「だから二年、いえ、一年かもしれません。朱里さんのやりたい事を優先させたいのが私の考えです。」


「…………。」



そこで一呼吸を入れた尚輝が私へと視線を向けてきた。真っ直ぐな尚輝の瞳を見つめ返す。



「朱里さんとは離れたくないのです。朝も夜も傍にいて欲しい……ずっと想ってました。」


「尚輝。」



再びお父さんへと視線を向けた尚輝が頭を深く下げた。
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