俺様副社長の溺愛秘書
「確かに結婚ではなく、同棲という形になります。」


「………。」


「大切な娘さんを私の傍に置きたい、我儘なのは承知しております。だけど傍にいて欲しい。」


「………。」



頭を上げてお父さんを真っ直ぐに見つめる。その様子を固唾を飲んで見つめる。



「許して頂けませんか?」


「………。」


「お願いします。」



もう一度深く頭を下げる尚輝に、私も頭を深く下げた。



「お父さん、絶対に別れたりしない。尚輝の優しさをわかって欲しい。」


「頭を上げてください。」



お父さんの穏やかな声色に肩の力を抜いて、下げていた頭を上げた。



「佐伯さんの人柄に信頼はしております。」


「ありがとうございます。」


「一人娘を大切にしてくれますか?幸せにしてくれますか?」


「勿論、約束します。」


「朱里も初めて私に頭を下げて頼んだ事ですし、朱里を宜しくお願いします。」


「ありがとうございます。」



尚輝の嬉しそうな声がリビングに響いた。
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