俺様副社長の溺愛秘書
週末の一大イベントも終えた週明け――



「おはよう、朱里さん。」


「陽輝、おはよう。」


「週明けに珍しいね?」


「あっ、うん、そうかな?」



曖昧に答えればクスリと笑われた。



「兄貴の部屋に泊まってるんだろ?同棲も決まった?」


「聞いたの?」


「いや、兄貴が実家の部屋から荷物を運んでた。」


「荷物?」



隣を歩く陽輝を見上げた。


「マンションの部屋に行けば、分かるんじゃない?」


「ふ~ん。」


「あっ、それと出張には俺も行くから。」


「えっ?」



見上げた陽輝と目が合う。



「兄貴に聞いても無駄だから親父に聞いた。」


「副社長は知ってるの?」


「今日、知るんじゃない?」


「怒るんじゃない?『俺の許可は?』とか。」


「『社長命令』って言えば終わり。」



ニヤリとする陽輝に腹黒さを感じた。



「朱里さん、ホテルと新幹線の手配を宜しく。」


「わかった。」


「じゃあ、俺は行くから。」



エレベーターホールで別れ、秘書課へと出社した。
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