俺様副社長の溺愛秘書
定時までに仕事を終わらせ、副社長室へと向かう。


ソファーで煙草を咥える副社長は考え事をしているように見える。


いつになく考え込んでいる副社長の目と合う。上の空って感じだ。



「副社長?問題でも?」


「ああ。」


「今日の予定は延期されます?」


「しない。ちょっと考えてた。」


「はい。」



灰皿で煙草を揉み消した副社長が立ち上がる。その動作を見つめる。



「朱里、行こう。」


「はい。」



プライベートモードの尚輝についていく。歩きながらも上の空って感じだ。



「尚輝、運転大丈夫?上の空じゃない?」


「あっ、ああ。大丈夫だ。」



運転席に乗り込む尚輝に、私も助手席へと乗り込んだ。



「本当に大丈夫?」


「ああ。」


「大きな問題?」


「ああ。」



尚輝が車を発進させた。沈黙が流れる車内に、今の尚輝が携わっている仕事がトラブってるのかもと思った。
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