俺様副社長の溺愛秘書
「ここ?」


「ああ、行くぞ。」



車が停車した場所に窓から外の景色を見た。尚輝が車から降りていくのを見つめる。


助手席の扉が開けられ、尚輝に促される。



「朱里、行くぞ。」


「ここ?」


「問題の解決だ。」


「問題?」



首を傾げながら車外へと出る。尚輝の手が絡められるように繋がれる。



「高校だよ?」


「ああ。問題の解決の場所だ。」


「問題?」


「大事な事を忘れてた。」


「まさか報告?」



私の言葉をスルーして、高校へと入っていく。目的地は分かった。


間違いなく―――――



「報告の前に問題解決だ。」


「問題なんてある?」


「ある。」



意味不明な尚輝に手を引かれて、連れてこられたのは思った通りの場所だ。


私達が再スタートした場所だ。
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