俺様副社長の溺愛秘書
「朱里、噂になってるわよ。」


「あっ、うん。」


「一日だけのダイヤの指輪。今日はしてないの?」


「目立つから置いてきた。」


「裏目ね。まあ、注目のカップルって証拠ね。」



前の席に座る真央が小さな声で囁いてくる。私は溜め息を吐いた。


目の前の内線に受話器を受け取った。



「はい、松井。」


「松井さん、社長室へ。」


「はい。」



噂が耳に入ったのだろう。佐伯課長から社長室へと呼ばれてしまった。



「社長室へ行ってくる。」


「朱里、頑張れ。」



真央の励ましに苦笑いして、社長室へと向かった。扉をノックすれば、中から扉を開けられた。



「松井さん、どうぞ。副社長もいらっしゃってます。」


「失礼致します。」



軽くお辞儀をして社長室へと入る。ソファーには副社長も腰掛けていた。



「松井さん、座って。」



副社長の隣を進められ、社長の前へと座った。
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