俺様副社長の溺愛秘書
懇親会で副社長の婚約者と知れ渡った。


副社長も上機嫌で皆に紹介する。秘書としての紹介ではなくなり、すっかり婚約者として紹介された。


それは構わない。



「お幸せになってください。」



掛けられる言葉に嬉しくなる。


秘書の武田さんにもお祝いの言葉を言われた。私が微笑めば、『幸せそう』だとも言ってくれた。


そんな懇親会もお開きとなり、私達はホテルへとタクシーで向かう。



「兄貴、懇親会じゃなく、婚約パーティーだったな。」


「ああ。」


「朱里さんは本当に幸せ?」



陽輝の言葉にピクリとした。窓から前に座る陽輝へと向けた。



「笑顔が作ってる。それって何か意味あるの?」


「作ってる?」


「兄貴も気付いてるだろ。二人で作ってる。」



陽輝の言葉に副社長を見上げる。



『二人で作ってる?副社長も?』



交わる視線に目が逸らせない。



「朱里は幸せか?」



切なさを含む声色にじっと副社長を見つめていた。
< 150 / 167 >

この作品をシェア

pagetop