俺様副社長の溺愛秘書
夜景の見える席へと案内される。尚輝と二人、隣同士でソファーへと腰掛ける。


適当にオーダーする尚輝が私を抱き寄せた。



「綺麗だね。」


「ああ。」



静かに夜景を眺める。オーダーしたお酒がテーブルへと置かれる。


軽く乾杯をして一口飲んでみた。



「甘いけどキツい。酔わせる気?」


「ああ。」



冗談のつもりが素で返され、逆に恥ずかしくなる。



「朱里を口説きたいから酔わせる。」


「口説くって……。」


「本音が聞きたい。」


「本音?何の?」



尚輝が言ってる意味が分からない。顔を上げて尚輝を見る。


視線に気付いたのか、窓から私へと尚輝の目が向けられる。


見つめ合う沈黙に緊張する。



「朱里、婚約を後悔してるか?」


「えっ?」



突然、予想にもしない言葉を掛けられた。見つめ合う目が真剣さを物語っている。



「朱里は婚約を後悔してるか?」
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