俺様副社長の溺愛秘書
「花嫁修業も頑張るね。」


「ああ。」



嬉そうに微笑む副社長からは幸せオーラが漂っている。


きっと私にも漂っているのかな?



「朱里、頑張れよ。」


「副社長も。」



私達は各々の仕事へと向かった。


社長は私を第二秘書へとした。それは婚約者として、副社長を支えて欲しい親心もあるのだろうと思う。


第一秘書は佐伯課長だ。佐伯課長にも残業の免除は理解してもらっている。



「松井です。失礼します。」



日課へとなりつつある社長へのスケジュール報告をする。



「松井さん、お昼だけど一緒に大丈夫かね?」


「はい。」


「尚輝、不貞腐れてただろ?」


「仕事ですから。」



にっこりと社長へ微笑んだ。



「そうだ。家内がまたご飯でも食べに来て欲しいと。」


「ぜひ。奥様は料理上手ですから。」


「奥様ではなく、『お義母さん』と。家内も喜ぶと思うがね。」


「はい。なかなか照れ臭くて。」


「ははっ。」



社長のデスクへとコーヒーを置く。チラリと見える写真に微笑んだ。
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