俺様副社長の溺愛秘書
「陽輝、二人で行くなよ。」


「別に取らない。俺だって、憧れの先輩と楽しみたいだけ。」


「憧れの先輩?」



真央が前に座る私達3人を見渡している。



「真央さんは知らない?俺は朱里さんの高校の後輩。っで、他の3人は高校の先輩。」


「えっ?私だけ違うの?」



驚く真央を抱き寄せるのは賢人だ。



「別に会社は同じだ。高校の話なんて黒歴史で話さないだろうし。」


「「「「……………。」」」」



沈黙する賢人以外の私達。それが原因で尚輝と喧嘩したからだ。



「でも楽しそう。皆、お互いの高校時代を知ってるんでしょ?」


「私は尚輝しか知らない。学年も違うし。」



真央をじっと見つめて笑い掛けた。



「私は本当に尚輝しか知らないから。陽輝だって会社で初めて知ったし。」


「賢人は?知らないの?」


「うん、知らない。だから気にしなくていい。高校時代の話なんてしないよ。」



真央だけが知らない話で盛り上がる事はないだろう。


賢人が真央を一人ぼっちにするとかあり得ないし。
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