俺様副社長の溺愛秘書
「俺、朱里さんの事、実を言うと高飛車な女………って思ってた。」



陽輝の言葉に出逢った頃の陽輝を思い浮かべる。確かに私に対して冷たい雰囲気だった。



「俺、凄いモテるし、女にフラれたのは………朱里さんだけだったから。余計に嫌悪感があった。」



知らない事実をさらっと話す陽輝を見つめるしかなかった。



「兄貴に勝ちたいだけだったのかもしれない。兄貴の想い人を横取りしたら勝てる気がしてた。」


「…………。」


「女を落とすのは簡単な筈だったのに………俺よりイケてない奴ばかりと付き合う朱里さんに腹が立ってたのも事実。」


「………。」


「デキる兄貴を持つと大変なんだ。聡さん、賢人さんだって同じ。俺だけが落ちこぼ………。」


「私は陽輝の仕事振りは凄いと感心してる。」



陽輝の言葉を遮った。陽輝は二年目だけど凄い仕事をしているのは知ってる。



「私は陽輝が落ちこぼれなんて思わない。凄い男だと思ってる。」
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