俺様副社長の溺愛秘書
黙り込む陽輝を見つめる。



「まだまだだ。」


「そうだな、期限ギリギリに企画書を提出してる時点でまだまだだな。」


「陽輝、俺はお前の味方だ。」



話を聞いていたのか、尚輝、賢人、悠木さんが愉しそうに声を掛けた。


尚輝は口角を上げて、陽輝を挑発している。



「陽輝、頑張ってるよ?」


「頑張りが足らないって話だ。」


「二年目なんだし………。」


「佐伯の人間だ。俺と佐伯を引っ張っていく男だ。」


「でも、まだ若い………。」


「俺も聡も賢人だって、普通の社員以上に仕事してきた。簡単に役職に就いた訳じゃない。」



尚輝の言葉に押し黙った。



「兄貴、朱里さんに厳しすぎだろ。」


「朱里が陽輝に甘いからだ。」


「俺には厳しくても、彼女である朱里さんには優しくするべきだと思うけど?」


「陽輝の肩ばかり持つからだ。」


「それは朱里さんが年下の俺を思って………。」


「朱里は分かってないんだ。会社を経営していく難しさを。」
< 40 / 167 >

この作品をシェア

pagetop