俺様副社長の溺愛秘書
尚輝の言葉にムカッとした。


確かに経営の難しさは知らない。私は普通の家庭で育ったからだ。


経営に関しては全く知識もない。


だから?


私は口出しするなって事?


腹が立ち、尚輝を睨んだ。尚輝もじっと私の瞳から視線を外さない。



「ちょっ、朱里さん?雰囲気が怖いんだけど?」



陽輝の言葉も無視して、尚輝の視線からは外さない。



「確かに経営は知らない。会社に口を出してるつもりもない。」


「なら、陽輝を甘やかすな。」


「別に甘やかしてない。陽輝は頑張ってるって言ってるだけ。」


「頑張りが足らないって話だ。」


「尚輝より4つも下なんだから、これから成長はしていくし、尚輝より手腕を発揮するかもしれない。」



車内が異様な雰囲気に包まれているが、ムカつく尚輝にはガツンと言いたい。



「俺より手腕を発揮する?」


「そうよ、陽輝が社長かもよ?」



隣の陽輝から溜め息が聞こえたが、聞かなかった事にしよう。
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