俺様副社長の溺愛秘書
コーヒーをテーブルに置いて、元の位置に座れば尚輝に怒られた。



「賢人は?」



尚輝が聞いているが誰も答えない。



「陽輝、起こしてこい。」


「何で、俺が?」


「聡は毎朝、俺達の部屋に起こしにくる。」


「………。」



私達3人を見渡して唖然としている。



「毎朝、窓を叩かれる。」


「聡さん……。」


「陽輝、起こしてこい。」



陽輝は動こうとはせず、尚輝を無視している。


私はキッチンに向かい、朝ごはんの準備を始めた。



「陽輝、聡、行ってこい。」


「「…………。」」


「いいから行け。」



尚輝が二人を説得している。渋々、二人がリビングから出ていく音が聞こえてきた。


近付いてくる尚輝の気配に緊張が走る。


絶対に言われる―――



「朱里、陽輝と何を話してた?」



ビンゴ!



「別に世間話。」



陽輝と同じ答えを返した。
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