俺様副社長の溺愛秘書
「ふ~ん、世間話ね?」


「そう。朝ごはん、もうすぐ……。」



腰に腕を回されて尚輝の体が密着する。途端に体が固まる。



「朱里、裏切るなよ?」



耳元で囁かれる声にゾクリとした。耳にキスを落とし、そのまま私のピアスを舐めた。



「俺を裏切るなよ?」


「裏切る?」


「陽輝と何を話してた?」



どうしても気になるのか、耳元で甘く囁いてくる尚輝は確信犯だ。


私は尚輝の甘い囁きが好きだ。



「朱里?」


「本当に世間話だから。」


「本当か?」


「うん。」



尚輝が最後に耳にキスを落とし、私の体から離れていく。


緊張していた体が一気に開放される。



「朱里、可愛いな?緊張してるか?」


「………当たり前でしょ。」


「毎晩、抱き締めて寝てるだろ。」


「それとは違うの。」



背後から抱き締められると、ドキドキと鼓動が速まるのを感じる。
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