俺様副社長の溺愛秘書
その手を背後から掴まれ、尚輝の胸に抱き寄せられた。



「ちょっと会社。」


「ああ、朱里もここは会社だ。」


「先に尚輝が変な言い掛かりを……ッ……。」



尚輝の唇が私の耳に触れた。驚いた私は一瞬で動きを止めた。



「今日、泊まりに来い。」



甘い声で囁かれ、頭が真っ白になっていく。



「朱里、泊まりに来い。俺だけを考えろ。」


「…………。」


「家に電話しておけ。」



尚輝がクスリと笑い、私から離れていく。我に返った私は尚輝に振り返った。



「明日も会社………。」


「知ってる。一緒に出社だ。」


「………目立つから嫌。」



尚輝がデスクの椅子に腰掛けて私を鋭く見つめてきた。その目に嫌な予感がする。



「俺を妬かせた罰だ。俺の誘いを断って、他の男と昼飯?俺が同じ事をしたら朱里はどうする?」


「…………。」


「泊まりに来い。」



尚輝が副社長へと変わっていく。資料に手を伸ばした姿は仕事モードに変わっていた。
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