俺様副社長の溺愛秘書
すでに仕事を始めていた真央が顔を上げた。私はもう一度聞いてみた。



「真央、メール来た?」


「高城さん?」


「うん。」


「来たよ。今週末の飲み会でしょ?」



真央とコソコソも会話をする。



「真央も行くよね?」


「うん。秘書課の飲み会でしょ?」


「秘書課と営業っぽいよ。」


「朱里は行ける?」


「真央が行くなら行くよ。」



足音に真央との会話を止めた。間違いなく佐伯課長の足音だ。


副社長宛てのメールへと切り換え、本日の予定を確認していく。



「松井さん、副社長へのスケジュール報告は?」


「今から行きます。」


「伊藤さん、打ち合わせがありますので会議室へ。」


「…………。」



無言の真央をチラリと見れば、動きが完璧に止まっている。


チラリと佐伯課長を見上げれば、目が笑っていない。


もう一度真央へと視線を向けた。



「伊藤さん、会議室へと。」
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